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トップ > GM > GM - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2009年1月9日 9時)
後悔先に立たず
昨日書いたエントリのタイトルは
業界別の“壊滅度”リスト
ってなってるんですけど、
後からフト思いついてみると・・
どう考えてもアレは
“壊滅度”別の業界リスト
ですよね。
でも、それに気がついた時には既に120くらいブックマークがついていて、
直すには、時すでに遅し。
あたしってバカだ・・ ○| ̄|_
↑
ちきりんブログ初の絵文字
★★★
近衛兵と紅衛兵を間違えたあたりは、“まあちきりんだし、しゃーないよね”って感じだった。
パレスチナとパキスタンを間違えた時は、自分でもちょっと恥ずかしかった。
モンテローザとサイゼリヤを間違えた時は、悲しくなったりもした。
今回は指摘される前に気がついただけ偉いといえよう。
(言えません。)
んじゃ。
作者:Chikirin
更新日:2009年1月9日 0時0分
業界別の”壊滅度”リスト
今回の経済危機による実体経済への影響について、様々な業界の“壊滅度度合い”を独断と偏見でレベル分けしてみた。*1
<壊滅度5>
最もひどい打撃を受けている業界。倒産もあるかもだし、正社員解雇なども行われる可能性大。
・投資銀行、ヘッジファンドなど(既にほぼ死滅)
-----------------------------------
・自動車(関連)業界*2
・半導体業界、電子デバイス系製造業*3
・工作機械、制御機器関連業界*4
・不動産業界*5
・新聞業界*6
・人材紹介業界*7
<壊滅度4>
上記に比べると若干マシとはいえ大きな打撃を受けている業界。
・家電メーカー(パソコン含む)と家電量販店
・ゼネコン、住宅業界*8
・貨物、物流*9
・百貨店業界、高額ブランド品
・テレビ業界*10
・高級ホテル、高級賃貸マンション
・外車販売
・国、都道府県、市町村*11
<壊滅度3>
影響は避けられないが、ボーナス削減を含む経費削減、派遣切り、採用凍結、合従連衡等で乗り切れるレベル。倒産云々になるのは個別企業の問題。
・小売り業
・IT業界(SI関係)*12
・生損保業界*13
・クレジット業界
・アパレル業界*14
・出版業界*15
・旅客運輸業界(飛行機、新幹線)*16
・一般飲食店*17
・産業材全般*18
・建設機械、プラント業界*19
<壊滅度2>
プラスとマイナス要因があり、横ばいか。
・個人金融サービス*20
・旅行業界*21
・教育産業*22
・電力、ガス
<壊滅度1>
比較的軽微な被害にとどまる。もしくは業績がよくなる企業も多いかも。
・食品メーカー*23
・生活用品メーカー
・化粧品、製薬メーカー
・コンビニ*24
・格安ファーストフード*25
・格安アパレル*26
・医療、介護
・ネットサービス*27
・通信業*28
・総合商社*29
・一次産業すべて
・エンターテイメント産業
・弁護士、会計士事務所など*30
おわり。
★★★
<重要なお知らせ>大変お手数ですが、翌日のエントリもセットでお読みください・・↓
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090109
★★★
下記注釈は、ナンバーをクリックすると本文該当箇所に戻れます。
*1:“元々死んでる度合い”ではなく、“今回の経済危機により受けたインパクト”についてのレベル分け。
適当に書いているので、皆様からのご意見等を踏まえて追加修正等する可能性ありです。
*2:自動車関連:まだ数字の公表されていない直近の売り上げは驚愕レベルまで落ち込んでいる模様。世界どの地域も今年いっぱいは回復は望めない。完成車メーカー、部品専業メーカーはもちろん、鉄鋼業界、タイヤ・ゴム業界、特殊ガラス業界などの自動車への依存度が高い産業も大きな痛手。内部留保をはき出しても正社員全員が守れない会社が続出。
*3:半導体、電子デバイス:半導体のユーザーは、パソコン、携帯、家電、ゲーム機、自動車など。パソコンはどうせ寡占されておりインテルとサムソン電子の世界。大型家電と自動車が大コケで携帯も今や成長市場ではない。せいぜい売れるのはゲーム機くらい、となると、半導体はほぼ壊滅。電子部品系は小さい会社はとんでしまうかも。基幹部品である液晶も、円高シャープ製品は、ウォン安LGやサムソン商品の2倍以上の値段となっており、誰が買うねん?状態。
*4:工作機械・制御機器:主要顧客企業である、自動車会社も電機、精密等々業界の企業も、最低でも向こう1年の設備投資は全面凍結。海外需要もアウトでかなり厳しい。受注タイムラグがあるので危機本番はこれから。id:andalusiaさんのコメントにより追記。
*5:不動産:昨年までに潰れたファンド系や投資開発系の企業だけではなく、普通の大規模マンションを造っている会社も相当大変。二子玉川の大規模開発など悲惨な模様。
*6:新聞:巨額な広告費を投入していた自動車、家電、不動産業界がこけており、新聞広告はまず切られる分野。これから広告を出すのは旅行業界だけか。
購読も戻るはずがないし・・・簿価の低い不動産を売却して損を穴埋めしたいだろうが、その不動産価格も・・・。
*7:人材紹介:過去5年ほど、第二新卒ブーム、外資系金融の好景気、および製造業派遣の解禁と拡大という3つの要因で大賑わいであった人材サービス業界。今はその3つすべてがコケており、後ろ盾のない会社は先行きが危なくなる可能性もある。そもそも今年は“転職”件数自体が大激減する。
*8:ゼネコン・住宅:現在受注済みのものが終わればレベル5にグレードアップかも。
*9:貨物、物流:付加価値の高い商品の物流が国内、輸出とも激減している。固定費ビジネスである上に、叩かれる立場であるだけにつらさが身にしみる。
*10:テレビ:壊滅度の低い食品や生活用品のCMがある分、新聞よりはまし。ただしこれはテレビ局の話。下請の製作会社はレベル5。ギャラの高い大物タレントや俳優は影響を受けてレベル3。以上、id:Buickさんよりコメントを頂いて追記。
*11:国、都道府県、市町村:税金収入が相当減る。ただしまだ気がついていないところが多い。後で大慌てする可能性大。
*12:IT,SI:継続案件が終わった後は草は生えない。=来年の秋以降くらいからは壊滅度4にグレードアップ!!
*13:生損保:損保は経済不活性化の影響。生保は家計防衛の際、最初に切られる。
*14:アパレル:全体の不況の影響は受けるが、若い女性は変わらず服を買う。
*15:出版:構造不況ではあるが今回の経済危機のインパクトという意味ではたいして関係ない。
*16:旅客運輸:ビジネス需要は減るが、円高、原油安などで海外旅行は悪くもないかも。
*17:一般飲食:都心の高級店や接待需要店はつらい。
*18:産業材:自動車関連はアウト。アジアのインフラ系は政府の景気刺激策により横ばい。
*19:建設、プラント:日本は壊滅だが、世界市場では政府投資に支えられる部分もある。プラントは受注タイミングのずれがある。
*20:個人金融サービス:特にネット系はチャンスでもある。
*21:旅行:円高と原油の値下がりは追い風
*22:教育:お受験が急に止まるわけではない。寧ろ早くから英語を習わせたいなど、危機対応型の教育費は増えるかも。
*23:食品:自炊は増えたりするかも。
*24:コンビニ:タスポの失敗により、タバコをコンビニで買ってもらえるようになったのは当面大きい。
*25:格安ファーストフード:寧ろ追い風の可能性あり。
*26:格安アパレル:寧ろ追い風の可能性あり。
*27:ネットサービス:寧ろ追い風の可能性あり。
*28:通信:若い子が携帯を使わなくなったりしない。出張が自粛されつつあり、電話会議、ネット会議にシフトするのは追い風。
*29:総合商社:エネルギー系の開発大プロジェクトに入れ込んでいるところは被害大だが。
*30:弁護士、会計士:id:Yoshikawaさんのコメントにより追加。企業再編や円高による海外案件は増えるかも。
作者:Chikirin
更新日:2009年1月8日 0時0分
“失業者”と“人手不足”が併存するわけ
一昨日のエントリに頂いたコメントの中から論点をひとつピックアップして書いてみます。
雇用吸収分野を考える場合、よく「この市場は人手不足だから、失業者を雇ってもらってはどうか?」という話になりますよね。
これは極めて自然な話。人手不足→人が必要でしょ。一方では失業者が溢れている。“ちょうどいいじゃん。そこで雇って貰えば。”という話になる。
が、実際にはロジックは逆です。人手不足である市場にはすべて“人手不足に陥った理由”が存在する。つまり人手不足の市場とは、“多くの人を雇用できない理由がある市場”もしくは“継続的で安定的な雇用維持が困難な理由がある市場”だってこと。だから結果として人手不足なのです。
なので、その理由がなくならない限り、もしくは、その原因理由となんとか折り合いをつけない限り、たとえすぐそばに多くの失業者がいてもマッチングできない。一時的にできたとしても継続的にその状態を保てない、ということになります。
“数年間トヨタの工場で働いたのに正社員になれず、突然に契約停止された人”は、今回外食チェーンのサイゼリアモンテローザ*1が全国で500人を正社員として雇うと発表したことに感涙してると思う。
でも半年もすれば、“トヨタの正社員”と“モンテローザの正社員”の待遇がどれほどに違うか気がつくだろうし、“トヨタの契約社員”と“モンテローザの正社員店長”のどちらが時給が高いかということも理解すると思う。
つまり単なるハローワーク的マッチング機能だけでは失業問題も人手不足問題も解決しないわけ。一先日のコメントの中でも指摘されていた論点です。
★★★
で、ちょっくら考えてみました。なんでこんなに失業者がいるのに“人手不足”の市場があるのだ?その市場の問題点は何なのだ?、そして、その問題点はどうやったら取り除けるのだ?と。それが解決できれば、マッチングで失業問題と人手不足問題は解決できる。
ええっと、まずはよく言われる人手不足業界を3つほど列挙。
(1)外食サービス業
(2)医療&介護
(3)農業
次に、「なんで人手不足なんだ?」ってのを書いてみると
(1)外食サービス業
理由=利幅が薄すぎて十分な人件費が確保できない→バイトのみで運営&少数の正社員の労働時間はありえないほど長く過労死危険レベル→勤務が長続きせず常に人手不足。
(2)医療&介護
理由1=高齢化、核家族化で需要は急拡大している。
理由2=供給側が資格職であり簡単には増えない。
理由3=“収入=公的保険”であり上限があるため、供給者(労働者)の収入が低く増やせない。
(3)農業
理由1=将来性がないと思われている。
理由2=実際、将来性がない。
おっと、冗談書いてる場合じゃないっす。ええっと、
(3)農業
理由1=現在のやり方(家族単位の小規模農家が、昔ながらの方法で、)では将来性がない。ので誰も継ぎたくない。
理由2=農水省と農業族議員が、昔からの農家を守るために、競争力をもつ新規参入者が市場に入ってこないよう規制している。ので新規雇用が生まれない。
ですかね。
★★★
じゃあどーすりゃいーのさ、ってことで考えてみると。
(1)外食サービス業
理由=利幅が薄すぎて十分な人件費が得られない→バイトのみで運営+一部の正社員の労働時間はありえないほどの長時間で過労死危険レベル→勤務が長続きせず常に人手不足。
→解決法:労働基準法を徹底的に遵守させる。odakinさんなどが言われている方法ですね。
当然人件費コストが上がります。3割くらいあがるかもね。すると今の利幅内での吸収は不可能なので、商品である食事の値段がアップするでしょうが、全部の外食チェーンが値上げに動けば消費者は受け入れていくしかなくなるでしょう。
(2)医療&介護
理由1=高齢化、核家族化で需要は急拡大している。
理由2=供給側が資格職であり簡単には増えない。
理由3=“収入=公的保険”であり上限があるため、供給者(労働者)の収入が低く増やせない。
→解決法:理由1の点はまた別の論点を含むので後日。理由2なんだけど、議論はあるのでしょうが、ちきりん的には保険以外からの収入増を認めていく必要があるんじゃないかと思いますけどね。
混合医療もそうだし、病院が薬局や介護器具販売とか兼業してもいーじゃん。お金に余裕のある患者もいるんだから食事だって2種類にして、“美味しい入院食”を一食1500円とかで売ったら?とか思います。
あと今の介護保険って大金持ちでも1割負担なわけで、そういう人には5割くらい負担して貰ったらどうよ?と思う。高齢者だってむっちゃ貯金持ってる人も多いのになんで全員1割負担なんだ?
収入側ではないけど、こういうばかげた問題も起っているのも改善しようよと思う。(→http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20051027)
まあとにかく、医療報酬、介護報酬以外の収入を得る道を拓くこと、これが最初の一歩だと思う。
あと、医療行為にあたらないコト、介護行為にあたらないコト、の部分に徹底的に一般人を雇用して分担したら?と思う。
たとえば医者って、医療行為以外の仕事も結構時間かかってるような気がするんですけど。書類仕事とか、管理系の仕事とか。医者2人にひとりの助手をつけて、医療行為以外の周辺事務を手伝って貰うだけで医師が自分本来の仕事にさける時間は結構増やせるんじゃないかなあ。
介護だって同じ。介護の仕事のなかで、介護資格がなくても問題ないでしょ、って仕事はたくさんありそう。(食器洗うとかぞうきん洗うとか汚れた床を拭くとか)そういうのを集中して担当する一般雇用の人を追加するってのアリなんじゃないかと思う。
で、そういう周辺業務を手伝っている間に介護の仕事に興味を持てば、自分で勉強して数年かけて資格をとればいい。あと、お年寄りの“話し相手”だけを担当する人がいたら、特別施設の介護ヘルパーさんなんかは本来の仕事に集中できるよういなるのでは?とか思ったりもした。どうかな。
つまり、もっと“チーム医療”“チーム介護”的に考えて、普通の人でもできる仕事を集中分担させるってどーなんだろ、と。
いずれにせよ、先日のlist55stさんのコメントでもご指摘いただいているように、今のままの介護現場に失業者を大量に迎えてもなにらか問題が解決するとは思えないです。まずは“今、人手不足になっているその理由“を先に片付けないと。
(3)農業
理由1=現在のやり方(家族単位の小規模農家が、昔ながらの方法で、)では将来性がない。ので誰も継ぎたくない。
理由2=農水省と農業族議員が、昔からの農家を守るために、競争力をもつ新規参入者が市場に入ってこないよう規制している。ので新規雇用が生まれない。
これの解決方法については、m_y_oさんが書いてくださったのでもう十分だと思います。農業って日本でも世界的にみてもすごく可能性のある産業であることはもう間違いない。もう高級車なんて要らない!という人でも、有機栽培で遺伝子組み換えじゃなくて、美味しくて安心な野菜や米を少々割高でも食べたい!という人はたくさんいる。そもそもエネルギーと食料は長期的には世界的にも需給が逼迫する分野なんだからニーズは大きい市場なのだ。
なのに
この国は全然やる気ない。
今の「農業を失業者のセーフティネットに」という考えも、裏を返せば「高齢者ばっかりでは農作業が大変になってるので、失業してる若者を税金で雇って手伝いに行かせようぜ」みたいな話になっちゃってる。
違うだろ?
と。
今政府が考えている“生き延びさせる”ための施策じゃなくて、ゼロベースで新しいタイプの供給者を作っていくべきだよね。興味のある投資家、企業はたくさんあると思う。人手もかかるからそれなりの数の“社員”を雇ってくれると思うよ。
林業ってちきりんはよく知りませんが、“市場”としての可能性があるなら同じことが言えるのでしょう。
★★★
つまりね、人手不足産業で失業者を雇用するには、
(1)の外食サービス業に関しては、“より強い規制遵守の監督が必要”であり、
(2)の医療・介護分野では、“よりまともな制度が必要”であり、
(3)の農業では“よりまともな役所が必要”
なわけです。
というわけで、“失業者”と“人手不足市場”が併存しているということの意味を、もっとちゃんと考えた方がいいよね、と思った。なんでそんなことが起こっているのか、と。
“なんで?”と考えるところに福来たり
って言うじゃん!
言わないか?
あっ、そう。
まあいいや。
そんじゃーね。
&
おとといのエントリにコメントをくださった方、どーもです!
他の論点についてもまた書きます。ではでは〜。
.
*1:shirauoさんのご指摘で間違いを直しました。これ以降の段落については上書きしました。shirauoさん、ありがとうございます!&皆様、ごめんなさい!!
作者:Chikirin
更新日:2009年1月6日 0時0分
上り坂・下り坂
永田 寿康(ながたひさやす)氏
UP and DOWN
1969年 9月生まれ。愛知県名古屋市出身
1988年 慶應義塾志木高等学校卒業
1993年 東京大学工学部物理工学科卒業
同年 大蔵省入省
1995年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)MBA留学
1999年 大蔵省退職、古川衆院議員の公設秘書に転身
2000年 6月 千葉2区から衆議院議員として初出馬し当選(30歳)
2003年 11月 2期目当選
実父が九州の医療法人財団会長を務める国内有数の資産家であることから、以降潤沢な資金援助をうける。実父は永田の選挙区である千葉県八千代市に学校や病院、看護サービス施設を建設。月1度の新聞の折り込み広告等の選挙支援を行う。2000年の総選挙で一気に大所帯となった民主党の若手議員の中で、屈指の資金力を誇る。(以上wikipediaより)*1
2004年 航空会社の元客室乗務員と結婚。
挙式は千葉マリンスタジアムを貸し切って行う。
2005年 長女誕生
2005年 9月 3期目の当選 36歳の誕生月
★★★ 5ヶ月経過 ★★★
2006年2月 衆院予算委員会でメール問題で質問を行う。
・メールが偽であることが発覚
・大混乱の数日間、親族が経営する病院に入院
2006年4月 民主党から処分(党員資格の停止、半年)、議員辞職
2007年始め 千葉県八千代市の自宅から転居
別居
離婚
父親の地元・福岡で政界復帰を試みるが、民主党関係者からは拒絶的反応。支持が得られず断念。
親族が経営する公認会計士事務所に入社。ごく短期間で退社。
2008年7月 創価学会への名誉毀損罪にて千葉簡易裁判所から罰金30万円の略式命令(2005年8月に国政報告会で創価学会へ虚偽の発言で、同会の名誉を傷つけたとして)
2008年11月中旬 福岡県。躁うつ病で治療中、徘徊中を警察に保護される。手首に傷があり、自殺未遂が発覚。
2009年1月3日 北九州市のマンションから飛び降り自殺。39歳
服装はスウェットにダウンジャケット。
現場の部屋には焼酎の紙パックと走り書きの遺書
★★★
ここからは推測にすぎませんが。
偽メールをねつ造して永田議員(当時)に話をもちかけ、そのメールを高値で売りつけた人がいます。“政治ゴロ”とでもいうべき人でしょう。
もし永田氏に“豊富な資金力”がなければ、そんな詐欺師に狙われることもなかったかもしれない。また、ふっかけられた額を用意してそのメールを購入することもできなかったかもしれない。
盤石の経済基盤を持つ“若手のホープ”でなければ、“一発、功があれば、30代で民主党の幹部になれるかも”と夢想したり、危ない話への嗅覚を鈍らせる焦りすぎた野心に足を取られることもなかったかもしれない。
などと言っても仕方ないけれど。
あの時このメールで一儲けした人も、今どこかで、このニュースを見ているのでしょうか。その人はただ、世間知らずな大金持ちのお坊ちゃん相手にちょっとした“振り込み詐欺”を仕掛けただけ、なのでしょうか。
ワープロ打ちの紙一枚で一番の高値を払ってくれる僕ちゃんを見つけたんだから、ターゲットにするのは当然だろうと、そう言うのでしょうか。「いやオレだってあんな額が手に入るとは思ってなかったんだ。それにまさか党幹部のチェックもなしに国会にでるとも思ってなかったし。」と言うのかも?
もうひとつ。
永田氏はメールが偽だとばれ大騒ぎになった時、一時的に雲隠れしました。そこからでてきた時、「辞職するかどうか父親と電話で相談していた。」と蒼白な顔で語りました。
世間は“なんと甘えたおぼっちゃん”と思いました。民主党の党首から幹部まで総辞職かもしれない、二大政党制が10年遅れるかも、というような事態を引き起こしておきながら、本人が辞めるかどうかすぐに自分で決められないなんて・・と。30歳にもなって親に相談するために籠もっていたなんて、と。
確かに世間知らずのお坊ちゃんだったかもしれません。でも、今日このエントリを書きながら思いました。彼に国会議員になり“末は大臣”と、是非とも成功して欲しいと望んだのは、彼ではなく、地元で名声もお金もすべてを手に入れてしまっていたご家族だったのかもしれない、と。もしくは、そうではなくても、彼の方がずっとそういう期待を背負って自身の道を走っていたのかもしれないと、思いました。民主党が政権をとった時には最年少“大臣”として地元に帰る自分を夢見ながら。
永田さんのご冥福をお祈りします。
作者:Chikirin
更新日:2009年1月5日 0時0分
“内需特需”を補助金争奪戦に終わらせてはあかんです。
1ヶ月前に「今はセーフティネット、危機管理が必要」*1と書きました。そしてこの年始年末はまさに“危機管理”に追われてる感じですよね。特に霞ヶ関、日比谷公園あたり・・
ただ、いつまでも炊き出しとテントと生活保護で暮らせるわけでなし、今後は“いかに雇用を生み出すか”が大事になります。政府も“雇用ニューディール”とか言い出してるみたいですし、ここは民ではなくまさに国が主体となる必要のあるタイミングです。
また昨日書いたように外需に頼った雇用創出は当面無理。なんとか“国内需要のための雇用”を創出する必要があります。ここまでは各方面、そんなに意見の相違はないように思えます。
が、意見が分かれるのは、またこれからも相当議論がぐちゃぐちゃになりそうなのは、「じゃあ、その内需分野ってのはどこにするのさ?」という点。この点について議論がすんなりいかない理由はとても明白。それは、「国が税金で内需を興す」ということは、「税金を、特定の産業、職業、分野に投入する」ということだからです。わかりますよね。これって別名を「補助金」と言うものなのです。
たとえば「農業で内需を興そう!」ということになれば国のお金、いや国民のお金である税金は農業関連者に投入されるのです。「教育分野に内需を!」ということになれば、そのお金は教育分野の企業の売り上げになり、その分野で働く人の雇用を増やし、その人達の給与の源泉になる。これまで多かったパターンだと「公共事業で内需を下支えする」というお題目でゼネコン業界に税金を流すというやつね。
なので、そりゃー、もめるよね。取り合いになります。「その内需をオレにくれ!!」となる。意味は「その補助金はオレのポケットに!!」ということだもの。もしくは「オレの天下り先に補助金を!」かな?
今、内需を盛り上げる必要性があるという点については、上記にも書いたようにあまり反論がない。でも「どの分野に?」という各論に入るとおかしなことが起こるのは、この「内需特需」へ群がる人達がたくさんいるから、ということです。
実際、雇用ニューディールもそうなのですが農水省を含む政府や政党が出してくる案には必ず「農業」という言葉が入ってます。(ひどいのになると“林業”とかまで入ってます。)
なんで自分の長男にさえ継ぐことを勧めない農業が“内需振興の有力分野”なんだか、これでよくわかるでしょ。
「農業分野にできるだけ多くの補助金を誘導する」ってのはこの国の旧体制側の官僚、政治家等々の“生きる意味”みたいになってるわけで。いつもなら都市在住国民から非難ごーごーの“農業補助金”も“内需拡大が必要!医療、介護、農業分野で!”とか言えば、なんとなく通っちゃう、と思っているらしい。
笑えます。
★★★
というわけで、この「どの内需分野に税金を投入すべき?」ってのは、もう少し幅広く国民全体で議論した方がいいよね、と思います。官僚側、政治家側、産業界側からの「どこに補助金を配分するか」という視点ではなく以下の3つの基準で考える必要があるんじゃないかなっておもいます。
(1) どこが国民生活のためになる分野なのか?
(2) どこが雇用を増やす分野なのか?
(3) どこがレバレッジの大きな分野なのか?
(1)の意味は、「いまさら地方に公民館だの美術館だの建てるのもないだろうし、高速道路をこれ以上延ばすだの新幹線をもっと先まで建設だの・・。それも違うよね。」ということ。もちろんそういった土木工事でも雇用は増えますが、国民生活のためになるのか??というとちょっと違うよね。まずは私たちが「これからの日本、この分野にこそお金を投入したい!」と思う分野にしないといけないわけです。
(2)に関しては、“国民生活にたいする価値はあるけど人手を必要としない分野”は今回は優先順位が低いですよ、という意味。たとえば「環境への投資」とか言う人がいるけど、多くの環境関連技術ってのは人手がたいしていらないのですよね。一部の技術者の雇用にはつながっても多くの雇用を生んだりしない。
“人海戦術でゴミの選別をするのだ”とか言うならともかく、大規模な風力発電だのソーラー発電だのを推進しても、もしくは電気自動車を普及させても、たいして人手=雇用数が増えないです。なので、これは大事なことだが、今の優先順位は高くないんじゃないか、とちきりんは思ってる。反対に、たとえば介護ってのはまさに人手がかかる分野ですよね。
(3)に関しては、お金は無限にあるわけではないので、出来る限り“一度投入したお金が「次の内需を生む」という良循環を生むところ”にお金を投入すべきですよね。定額給付金が評判悪いのはこの理由でしょ。大半の人は1万〜数万円(家族で)もらっても、「だから今月の支出を数万円分、先月より増やす」というようにはならないよね。そんなとこにお金を突っ込むのは本当に馬鹿げてます。
でも下の子供を預ける保育園が見つからないから働けない、というお母さんのために保育園を作ることにお金をかければ、保育士が雇われるだけではなく、お母さんは働いてお金を得て、そのお金を上の息子の塾の月謝として払い、塾は講師を雇おうとなり、その講師は新しいゲーム買おうかな!と思う、というようにお金がつながっていく。だったらこっちのほうが優先順位高いよね、ということです。
★★★
つまり、考えるプロセスは、
ステップ1:「内需振興分野として、この分野にすべきだ!」という案をできるだけ幅広く、たくさん募り、
ステップ2:上記の3つの基準に照らして優先順位をつけて、
“どの分野に税金を投入して内需を振興するのか”決めていく、というプロセスであるべきなんです。
適当に「医療、介護、農業」とか、
「林業も!」とかいう、どさくさ紛れの補助金争奪合戦にしてしまってはいけないわけ。
というわけで、まずはステップ1をやってみればいいと思う。「どの分野に内需を興すべきだと、みんな思う?」ってのを、国民皆が考えてみればいい。この段階では、その分野が優先順位が高い分野かどうかは考える必要はない。それはステップ2で検討すればいいことだから。
ステップ1では、とにかく広く、多くのアイデアを募ることが大事。
ちきりんはこの前、「東尋坊で失業者の自殺が増えてるなら、失業者をやとって警備させれば?」と書いた。そういうのもアイデアの一つとして考えればいい。
“命の電話”もボランティア不足でつながらないらしいけど、それもボランティアに頼らず行政が人を雇って育成して公的サービスとして運営したらどうよ?日本は世界でも異常に自殺の多い国。それをこの機会に改善するってのもアリじゃない?全国で6000人以上足りないらしいからそれだけの雇用が生みだせるってことだし。
ほかにはどんな内需市場がある?
教育もあるかも。一気に20人学級とかにしちゃえばどう?新規の教育学部卒の教師ではなく、既存の教師と同じ数の「中途採用の社会人教師」を採用してしまう、ってのもひとつの手ではない?
限界集落的な村に介護保険事業とは違う形の公的サービスを充実させていく、てのもあるかも。たとえば一人の労働者が10人くらいのお年寄りを担当して、買い物とか病院への同行とか切れた電球を替えるとか振り込み詐欺の防止とかを担当するとかね。毎日車で巡回してお弁当を届けながらそういう仕事だけをする人を市や村が雇う。
ニーズもありそうだし、雇用も生み出すし、それだけで施設に入らないで一人で暮らせるようになる人が少しでもでてくればその分の税金負担も減らせたりするんじゃないかと思ったりする。
育児の分野も人手が必要なところ、結構あるよね。24時間で子供を預かってくれたり、突発的な用事の時に、また少々の熱があっても預かることのできる体制を整えることは、少子化を解消していくために必要なひとつの方策だろう。
というわけで、ちきりんごときが考えてたって限界ありありなので多くの人が知恵を出し合えばいいかなと。この「どこに内需を興すべきか」という議論は、まさに「平成日本版のニューディール政策の中身を考える」ということです。これ、広く国民みんなで考えていくいい材料だと思うんだよね。なぜなら自分たちの払った税金の使い道を決める議論であると同時に、“日本をこれからどうしていきたいの?”ということにもつながる議論だから。
「さあさあ人手が余っているよ!ちょいとそこのお兄さん、どこで何をやってもらうべきだと思うかね?いらっしゃいいらっしゃい。どんなアイデアも歓迎だよ!」みたいな感じでね。
いや、もうちょっとまともな言い方にすれば、
「みなさんの周りで、
“これは長期的に変えていかないといけない点だと思う!”
ということで、
“人手がかかること”
があれば、是非教えてくださあい!」
みたいな感じ。で、でてきたアイデアをまな板にのせて、基準3つでそれぞれ評価していく。そして「どれから順に、どうやって内需市場(雇用)を作っていくか」を検討して、予算をつけ、最後にハローワークなどを通して大規模な労働者移動と労働者育成を推進していく、みたいなことができればいーんじゃないかと思う。
前にも書いたけど、約1000万人分の正規雇用市場が必要です。*2大きな数字だけど、前向きに考えれば「これだけの人手があれば相当のことができる!」ともいえる。「それだけいれば、あれもできる、これも実現できる!」って感じでしょう?
というわけで、賢明なるちきりんブログの読者の方は、最低ひとり一個は考えてね!!
ではでは〜
・
*1:“あまりに危機感のない人たち”=http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20081202
*2:“1000万人を正社員に!とか”=http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080802
作者:Chikirin
更新日:2009年1月4日 0時0分
後悔先に立たず
昨日書いたエントリのタイトルは
業界別の“壊滅度”リスト
ってなってるんですけど、
後からフト思いついてみると・・
どう考えてもアレは
“壊滅度”別の業界リスト
ですよね。
でも、それに気がついた時には既に120くらいブックマークがついていて、
直すには、時すでに遅し。
あたしってバカだ・・ ○| ̄|_
↑
ちきりんブログ初の絵文字
★★★
近衛兵と紅衛兵を間違えたあたりは、“まあちきりんだし、しゃーないよね”って感じだった。
パレスチナとパキスタンを間違えた時は、自分でもちょっと恥ずかしかった。
モンテローザとサイゼリヤを間違えた時は、悲しくなったりもした。
今回は指摘される前に気がついただけ偉いといえよう。
(言えません。)
んじゃ。
作者:Chikirin
更新日:2009年1月8日 15時0分
業界別の”壊滅度”リスト
今回の経済危機による実体経済への影響について、様々な業界の“壊滅度度合い”を独断と偏見でレベル分けしてみた。*1
<壊滅度5>
最もひどい打撃を受けている業界。倒産もあるかもだし、正社員解雇なども行われる可能性大。
・投資銀行、ヘッジファンドなど(既にほぼ死滅)
-----------------------------------
・自動車(関連)業界*2
・半導体業界、電子デバイス系製造業*3
・工作機械、制御機器関連業界*4
・不動産業界*5
・新聞業界*6
・人材紹介業界*7
<壊滅度4>
上記に比べると若干マシとはいえ大きな打撃を受けている業界。
・家電メーカー(パソコン含む)と家電量販店
・ゼネコン、住宅業界*8
・貨物、物流*9
・百貨店業界、高額ブランド品
・テレビ業界*10
・高級ホテル、高級賃貸マンション
・外車販売
・国、都道府県、市町村*11
<壊滅度3>
影響は避けられないが、ボーナス削減を含む経費削減、派遣切り、採用凍結、合従連衡等で乗り切れるレベル。倒産云々になるのは個別企業の問題。
・小売り業
・IT業界(SI関係)*12
・生損保業界*13
・クレジット業界
・アパレル業界*14
・出版業界*15
・旅客運輸業界(飛行機、新幹線)*16
・一般飲食店*17
・産業材全般*18
・建設機械、プラント業界*19
<壊滅度2>
プラスとマイナス要因があり、横ばいか。
・個人金融サービス*20
・旅行業界*21
・教育産業*22
・電力、ガス
<壊滅度1>
比較的軽微な被害にとどまる。もしくは業績がよくなる企業も多いかも。
・食品メーカー*23
・生活用品メーカー
・化粧品、製薬メーカー
・コンビニ*24
・格安ファーストフード*25
・格安アパレル*26
・医療、介護
・ネットサービス*27
・通信業*28
・総合商社*29
・一次産業すべて
・エンターテイメント産業
・弁護士、会計士事務所など*30
おわり。
★★★
<重要なお知らせ>大変お手数ですが、翌日のエントリもセットでお読みください・・↓
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090109
★★★
下記注釈は、ナンバーをクリックすると本文該当箇所に戻れます。
*1:“元々死んでる度合い”ではなく、“今回の経済危機により受けたインパクト”についてのレベル分け。
適当に書いているので、皆様からのご意見等を踏まえて追加修正等する可能性ありです。
*2:自動車関連:まだ数字の公表されていない直近の売り上げは驚愕レベルまで落ち込んでいる模様。世界どの地域も今年いっぱいは回復は望めない。完成車メーカー、部品専業メーカーはもちろん、鉄鋼業界、タイヤ・ゴム業界、特殊ガラス業界などの自動車への依存度が高い産業も大きな痛手。内部留保をはき出しても正社員全員が守れない会社が続出。
*3:半導体、電子デバイス:半導体のユーザーは、パソコン、携帯、家電、ゲーム機、自動車など。パソコンはどうせ寡占されておりインテルとサムソン電子の世界。大型家電と自動車が大コケで携帯も今や成長市場ではない。せいぜい売れるのはゲーム機くらい、となると、半導体はほぼ壊滅。電子部品系は小さい会社はとんでしまうかも。基幹部品である液晶も、円高シャープ製品は、ウォン安LGやサムソン商品の2倍以上の値段となっており、誰が買うねん?状態。
*4:工作機械・制御機器:主要顧客企業である、自動車会社も電機、精密等々業界の企業も、最低でも向こう1年の設備投資は全面凍結。海外需要もアウトでかなり厳しい。受注タイムラグがあるので危機本番はこれから。id:andalusiaさんのコメントにより追記。
*5:不動産:昨年までに潰れたファンド系や投資開発系の企業だけではなく、普通の大規模マンションを造っている会社も相当大変。二子玉川の大規模開発など悲惨な模様。
*6:新聞:巨額な広告費を投入していた自動車、家電、不動産業界がこけており、新聞広告はまず切られる分野。これから広告を出すのは旅行業界だけか。
購読も戻るはずがないし・・・簿価の低い不動産を売却して損を穴埋めしたいだろうが、その不動産価格も・・・。
*7:人材紹介:過去5年ほど、第二新卒ブーム、外資系金融の好景気、および製造業派遣の解禁と拡大という3つの要因で大賑わいであった人材サービス業界。今はその3つすべてがコケており、後ろ盾のない会社は先行きが危なくなる可能性もある。そもそも今年は“転職”件数自体が大激減する。
*8:ゼネコン・住宅:現在受注済みのものが終わればレベル5にグレードアップかも。
*9:貨物、物流:付加価値の高い商品の物流が国内、輸出とも激減している。固定費ビジネスである上に、叩かれる立場であるだけにつらさが身にしみる。
*10:テレビ:壊滅度の低い食品や生活用品のCMがある分、新聞よりはまし。ただしこれはテレビ局の話。下請の製作会社はレベル5。ギャラの高い大物タレントや俳優は影響を受けてレベル3。以上、id:Buickさんよりコメントを頂いて追記。
*11:国、都道府県、市町村:税金収入が相当減る。ただしまだ気がついていないところが多い。後で大慌てする可能性大。
*12:IT,SI:継続案件が終わった後は草は生えない。=来年の秋以降くらいからは壊滅度4にグレードアップ!!
*13:生損保:損保は経済不活性化の影響。生保は家計防衛の際、最初に切られる。
*14:アパレル:全体の不況の影響は受けるが、若い女性は変わらず服を買う。
*15:出版:構造不況ではあるが今回の経済危機のインパクトという意味ではたいして関係ない。
*16:旅客運輸:ビジネス需要は減るが、円高、原油安などで海外旅行は悪くもないかも。
*17:一般飲食:都心の高級店や接待需要店はつらい。
*18:産業材:自動車関連はアウト。アジアのインフラ系は政府の景気刺激策により横ばい。
*19:建設、プラント:日本は壊滅だが、世界市場では政府投資に支えられる部分もある。プラントは受注タイミングのずれがある。
*20:個人金融サービス:特にネット系はチャンスでもある。
*21:旅行:円高と原油の値下がりは追い風
*22:教育:お受験が急に止まるわけではない。寧ろ早くから英語を習わせたいなど、危機対応型の教育費は増えるかも。
*23:食品:自炊は増えたりするかも。
*24:コンビニ:タスポの失敗により、タバコをコンビニで買ってもらえるようになったのは当面大きい。
*25:格安ファーストフード:寧ろ追い風の可能性あり。
*26:格安アパレル:寧ろ追い風の可能性あり。
*27:ネットサービス:寧ろ追い風の可能性あり。
*28:通信:若い子が携帯を使わなくなったりしない。出張が自粛されつつあり、電話会議、ネット会議にシフトするのは追い風。
*29:総合商社:エネルギー系の開発大プロジェクトに入れ込んでいるところは被害大だが。
*30:弁護士、会計士:id:Yoshikawaさんのコメントにより追加。企業再編や円高による海外案件は増えるかも。
作者:Chikirin
更新日:2009年1月7日 15時0分
“失業者”と“人手不足”が併存するわけ
一昨日のエントリに頂いたコメントの中から論点をひとつピックアップして書いてみます。
雇用吸収分野を考える場合、よく「この市場は人手不足だから、失業者を雇ってもらってはどうか?」という話になりますよね。
これは極めて自然な話。人手不足→人が必要でしょ。一方では失業者が溢れている。“ちょうどいいじゃん。そこで雇って貰えば。”という話になる。
が、実際にはロジックは逆です。人手不足である市場にはすべて“人手不足に陥った理由”が存在する。つまり人手不足の市場とは、“多くの人を雇用できない理由がある市場”もしくは“継続的で安定的な雇用維持が困難な理由がある市場”だってこと。だから結果として人手不足なのです。
なので、その理由がなくならない限り、もしくは、その原因理由となんとか折り合いをつけない限り、たとえすぐそばに多くの失業者がいてもマッチングできない。一時的にできたとしても継続的にその状態を保てない、ということになります。
“数年間トヨタの工場で働いたのに正社員になれず、突然に契約停止された人”は、今回外食チェーンのサイゼリアモンテローザ*1が全国で500人を正社員として雇うと発表したことに感涙してると思う。
でも半年もすれば、“トヨタの正社員”と“モンテローザの正社員”の待遇がどれほどに違うか気がつくだろうし、“トヨタの契約社員”と“モンテローザの正社員店長”のどちらが時給が高いかということも理解すると思う。
つまり単なるハローワーク的マッチング機能だけでは失業問題も人手不足問題も解決しないわけ。一先日のコメントの中でも指摘されていた論点です。
★★★
で、ちょっくら考えてみました。なんでこんなに失業者がいるのに“人手不足”の市場があるのだ?その市場の問題点は何なのだ?、そして、その問題点はどうやったら取り除けるのだ?と。それが解決できれば、マッチングで失業問題と人手不足問題は解決できる。
ええっと、まずはよく言われる人手不足業界を3つほど列挙。
(1)外食サービス業
(2)医療&介護
(3)農業
次に、「なんで人手不足なんだ?」ってのを書いてみると
(1)外食サービス業
理由=利幅が薄すぎて十分な人件費が確保できない→バイトのみで運営&少数の正社員の労働時間はありえないほど長く過労死危険レベル→勤務が長続きせず常に人手不足。
(2)医療&介護
理由1=高齢化、核家族化で需要は急拡大している。
理由2=供給側が資格職であり簡単には増えない。
理由3=“収入=公的保険”であり上限があるため、供給者(労働者)の収入が低く増やせない。
(3)農業
理由1=将来性がないと思われている。
理由2=実際、将来性がない。
おっと、冗談書いてる場合じゃないっす。ええっと、
(3)農業
理由1=現在のやり方(家族単位の小規模農家が、昔ながらの方法で、)では将来性がない。ので誰も継ぎたくない。
理由2=農水省と農業族議員が、昔からの農家を守るために、競争力をもつ新規参入者が市場に入ってこないよう規制している。ので新規雇用が生まれない。
ですかね。
★★★
じゃあどーすりゃいーのさ、ってことで考えてみると。
(1)外食サービス業
理由=利幅が薄すぎて十分な人件費が得られない→バイトのみで運営+一部の正社員の労働時間はありえないほどの長時間で過労死危険レベル→勤務が長続きせず常に人手不足。
→解決法:労働基準法を徹底的に遵守させる。odakinさんなどが言われている方法ですね。
当然人件費コストが上がります。3割くらいあがるかもね。すると今の利幅内での吸収は不可能なので、商品である食事の値段がアップするでしょうが、全部の外食チェーンが値上げに動けば消費者は受け入れていくしかなくなるでしょう。
(2)医療&介護
理由1=高齢化、核家族化で需要は急拡大している。
理由2=供給側が資格職であり簡単には増えない。
理由3=“収入=公的保険”であり上限があるため、供給者(労働者)の収入が低く増やせない。
→解決法:理由1の点はまた別の論点を含むので後日。理由2なんだけど、議論はあるのでしょうが、ちきりん的には保険以外からの収入増を認めていく必要があるんじゃないかと思いますけどね。
混合医療もそうだし、病院が薬局や介護器具販売とか兼業してもいーじゃん。お金に余裕のある患者もいるんだから食事だって2種類にして、“美味しい入院食”を一食1500円とかで売ったら?とか思います。
あと今の介護保険って大金持ちでも1割負担なわけで、そういう人には5割くらい負担して貰ったらどうよ?と思う。高齢者だってむっちゃ貯金持ってる人も多いのになんで全員1割負担なんだ?
収入側ではないけど、こういうばかげた問題も起っているのも改善しようよと思う。(→http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20051027)
まあとにかく、医療報酬、介護報酬以外の収入を得る道を拓くこと、これが最初の一歩だと思う。
あと、医療行為にあたらないコト、介護行為にあたらないコト、の部分に徹底的に一般人を雇用して分担したら?と思う。
たとえば医者って、医療行為以外の仕事も結構時間かかってるような気がするんですけど。書類仕事とか、管理系の仕事とか。医者2人にひとりの助手をつけて、医療行為以外の周辺事務を手伝って貰うだけで医師が自分本来の仕事にさける時間は結構増やせるんじゃないかなあ。
介護だって同じ。介護の仕事のなかで、介護資格がなくても問題ないでしょ、って仕事はたくさんありそう。(食器洗うとかぞうきん洗うとか汚れた床を拭くとか)そういうのを集中して担当する一般雇用の人を追加するってのアリなんじゃないかと思う。
で、そういう周辺業務を手伝っている間に介護の仕事に興味を持てば、自分で勉強して数年かけて資格をとればいい。あと、お年寄りの“話し相手”だけを担当する人がいたら、特別施設の介護ヘルパーさんなんかは本来の仕事に集中できるよういなるのでは?とか思ったりもした。どうかな。
つまり、もっと“チーム医療”“チーム介護”的に考えて、普通の人でもできる仕事を集中分担させるってどーなんだろ、と。
いずれにせよ、先日のlist55stさんのコメントでもご指摘いただいているように、今のままの介護現場に失業者を大量に迎えてもなにらか問題が解決するとは思えないです。まずは“今、人手不足になっているその理由“を先に片付けないと。
(3)農業
理由1=現在のやり方(家族単位の小規模農家が、昔ながらの方法で、)では将来性がない。ので誰も継ぎたくない。
理由2=農水省と農業族議員が、昔からの農家を守るために、競争力をもつ新規参入者が市場に入ってこないよう規制している。ので新規雇用が生まれない。
これの解決方法については、m_y_oさんが書いてくださったのでもう十分だと思います。農業って日本でも世界的にみてもすごく可能性のある産業であることはもう間違いない。もう高級車なんて要らない!という人でも、有機栽培で遺伝子組み換えじゃなくて、美味しくて安心な野菜や米を少々割高でも食べたい!という人はたくさんいる。そもそもエネルギーと食料は長期的には世界的にも需給が逼迫する分野なんだからニーズは大きい市場なのだ。
なのに
この国は全然やる気ない。
今の「農業を失業者のセーフティネットに」という考えも、裏を返せば「高齢者ばっかりでは農作業が大変になってるので、失業してる若者を税金で雇って手伝いに行かせようぜ」みたいな話になっちゃってる。
違うだろ?
と。
今政府が考えている“生き延びさせる”ための施策じゃなくて、ゼロベースで新しいタイプの供給者を作っていくべきだよね。興味のある投資家、企業はたくさんあると思う。人手もかかるからそれなりの数の“社員”を雇ってくれると思うよ。
林業ってちきりんはよく知りませんが、“市場”としての可能性があるなら同じことが言えるのでしょう。
★★★
つまりね、人手不足産業で失業者を雇用するには、
(1)の外食サービス業に関しては、“より強い規制遵守の監督が必要”であり、
(2)の医療・介護分野では、“よりまともな制度が必要”であり、
(3)の農業では“よりまともな役所が必要”
なわけです。
というわけで、“失業者”と“人手不足市場”が併存しているということの意味を、もっとちゃんと考えた方がいいよね、と思った。なんでそんなことが起こっているのか、と。
“なんで?”と考えるところに福来たり
って言うじゃん!
言わないか?
あっ、そう。
まあいいや。
そんじゃーね。
&
おとといのエントリにコメントをくださった方、どーもです!
他の論点についてもまた書きます。ではでは〜。
.
*1:shirauoさんのご指摘で間違いを直しました。これ以降の段落については上書きしました。shirauoさん、ありがとうございます!&皆様、ごめんなさい!!
作者:Chikirin
更新日:2009年1月5日 15時0分
上り坂・下り坂
永田 寿康(ながたひさやす)氏
UP and DOWN
1969年 9月生まれ。愛知県名古屋市出身
1988年 慶應義塾志木高等学校卒業
1993年 東京大学工学部物理工学科卒業
同年 大蔵省入省
1995年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)MBA留学
1999年 大蔵省退職、古川衆院議員の公設秘書に転身
2000年 6月 千葉2区から衆議院議員として初出馬し当選(30歳)
2003年 11月 2期目当選
実父が九州の医療法人財団会長を務める国内有数の資産家であることから、以降潤沢な資金援助をうける。実父は永田の選挙区である千葉県八千代市に学校や病院、看護サービス施設を建設。月1度の新聞の折り込み広告等の選挙支援を行う。2000年の総選挙で一気に大所帯となった民主党の若手議員の中で、屈指の資金力を誇る。(以上wikipediaより)*1
2004年 航空会社の元客室乗務員と結婚。
挙式は千葉マリンスタジアムを貸し切って行う。
2005年 長女誕生
2005年 9月 3期目の当選 36歳の誕生月
★★★ 5ヶ月経過 ★★★
2006年2月 衆院予算委員会でメール問題で質問を行う。
・メールが偽であることが発覚
・大混乱の数日間、親族が経営する病院に入院
2006年4月 民主党から処分(党員資格の停止、半年)、議員辞職
2007年始め 千葉県八千代市の自宅から転居
別居
離婚
父親の地元・福岡で政界復帰を試みるが、民主党関係者からは拒絶的反応。支持が得られず断念。
親族が経営する公認会計士事務所に入社。ごく短期間で退社。
2008年7月 創価学会への名誉毀損罪にて千葉簡易裁判所から罰金30万円の略式命令(2005年8月に国政報告会で創価学会へ虚偽の発言で、同会の名誉を傷つけたとして)
2008年11月中旬 福岡県。躁うつ病で治療中、徘徊中を警察に保護される。手首に傷があり、自殺未遂が発覚。
2009年1月3日 北九州市のマンションから飛び降り自殺。39歳
服装はスウェットにダウンジャケット。
現場の部屋には焼酎の紙パックと走り書きの遺書
★★★
ここからは推測にすぎませんが。
偽メールをねつ造して永田議員(当時)に話をもちかけ、そのメールを高値で売りつけた人がいます。“政治ゴロ”とでもいうべき人でしょう。
もし永田氏に“豊富な資金力”がなければ、そんな詐欺師に狙われることもなかったかもしれない。また、ふっかけられた額を用意してそのメールを購入することもできなかったかもしれない。
盤石の経済基盤を持つ“若手のホープ”でなければ、“一発、功があれば、30代で民主党の幹部になれるかも”と夢想したり、危ない話への嗅覚を鈍らせる焦りすぎた野心に足を取られることもなかったかもしれない。
などと言っても仕方ないけれど。
あの時このメールで一儲けした人も、今どこかで、このニュースを見ているのでしょうか。その人はただ、世間知らずな大金持ちのお坊ちゃん相手にちょっとした“振り込み詐欺”を仕掛けただけ、なのでしょうか。
ワープロ打ちの紙一枚で一番の高値を払ってくれる僕ちゃんを見つけたんだから、ターゲットにするのは当然だろうと、そう言うのでしょうか。「いやオレだってあんな額が手に入るとは思ってなかったんだ。それにまさか党幹部のチェックもなしに国会にでるとも思ってなかったし。」と言うのかも?
もうひとつ。
永田氏はメールが偽だとばれ大騒ぎになった時、一時的に雲隠れしました。そこからでてきた時、「辞職するかどうか父親と電話で相談していた。」と蒼白な顔で語りました。
世間は“なんと甘えたおぼっちゃん”と思いました。民主党の党首から幹部まで総辞職かもしれない、二大政党制が10年遅れるかも、というような事態を引き起こしておきながら、本人が辞めるかどうかすぐに自分で決められないなんて・・と。30歳にもなって親に相談するために籠もっていたなんて、と。
確かに世間知らずのお坊ちゃんだったかもしれません。でも、今日このエントリを書きながら思いました。彼に国会議員になり“末は大臣”と、是非とも成功して欲しいと望んだのは、彼ではなく、地元で名声もお金もすべてを手に入れてしまっていたご家族だったのかもしれない、と。もしくは、そうではなくても、彼の方がずっとそういう期待を背負って自身の道を走っていたのかもしれないと、思いました。民主党が政権をとった時には最年少“大臣”として地元に帰る自分を夢見ながら。
永田さんのご冥福をお祈りします。
作者:Chikirin
更新日:2009年1月4日 15時0分
“内需特需”を補助金争奪戦に終わらせてはあかんです。
1ヶ月前に「今はセーフティネット、危機管理が必要」*1と書きました。そしてこの年始年末はまさに“危機管理”に追われてる感じですよね。特に霞ヶ関、日比谷公園あたり・・
ただ、いつまでも炊き出しとテントと生活保護で暮らせるわけでなし、今後は“いかに雇用を生み出すか”が大事になります。政府も“雇用ニューディール”とか言い出してるみたいですし、ここは民ではなくまさに国が主体となる必要のあるタイミングです。
また昨日書いたように外需に頼った雇用創出は当面無理。なんとか“国内需要のための雇用”を創出する必要があります。ここまでは各方面、そんなに意見の相違はないように思えます。
が、意見が分かれるのは、またこれからも相当議論がぐちゃぐちゃになりそうなのは、「じゃあ、その内需分野ってのはどこにするのさ?」という点。この点について議論がすんなりいかない理由はとても明白。それは、「国が税金で内需を興す」ということは、「税金を、特定の産業、職業、分野に投入する」ということだからです。わかりますよね。これって別名を「補助金」と言うものなのです。
たとえば「農業で内需を興そう!」ということになれば国のお金、いや国民のお金である税金は農業関連者に投入されるのです。「教育分野に内需を!」ということになれば、そのお金は教育分野の企業の売り上げになり、その分野で働く人の雇用を増やし、その人達の給与の源泉になる。これまで多かったパターンだと「公共事業で内需を下支えする」というお題目でゼネコン業界に税金を流すというやつね。
なので、そりゃー、もめるよね。取り合いになります。「その内需をオレにくれ!!」となる。意味は「その補助金はオレのポケットに!!」ということだもの。もしくは「オレの天下り先に補助金を!」かな?
今、内需を盛り上げる必要性があるという点については、上記にも書いたようにあまり反論がない。でも「どの分野に?」という各論に入るとおかしなことが起こるのは、この「内需特需」へ群がる人達がたくさんいるから、ということです。
実際、雇用ニューディールもそうなのですが農水省を含む政府や政党が出してくる案には必ず「農業」という言葉が入ってます。(ひどいのになると“林業”とかまで入ってます。)
なんで自分の長男にさえ継ぐことを勧めない農業が“内需振興の有力分野”なんだか、これでよくわかるでしょ。
「農業分野にできるだけ多くの補助金を誘導する」ってのはこの国の旧体制側の官僚、政治家等々の“生きる意味”みたいになってるわけで。いつもなら都市在住国民から非難ごーごーの“農業補助金”も“内需拡大が必要!医療、介護、農業分野で!”とか言えば、なんとなく通っちゃう、と思っているらしい。
笑えます。
★★★
というわけで、この「どの内需分野に税金を投入すべき?」ってのは、もう少し幅広く国民全体で議論した方がいいよね、と思います。官僚側、政治家側、産業界側からの「どこに補助金を配分するか」という視点ではなく以下の3つの基準で考える必要があるんじゃないかなっておもいます。
(1) どこが国民生活のためになる分野なのか?
(2) どこが雇用を増やす分野なのか?
(3) どこがレバレッジの大きな分野なのか?
(1)の意味は、「いまさら地方に公民館だの美術館だの建てるのもないだろうし、高速道路をこれ以上延ばすだの新幹線をもっと先まで建設だの・・。それも違うよね。」ということ。もちろんそういった土木工事でも雇用は増えますが、国民生活のためになるのか??というとちょっと違うよね。まずは私たちが「これからの日本、この分野にこそお金を投入したい!」と思う分野にしないといけないわけです。
(2)に関しては、“国民生活にたいする価値はあるけど人手を必要としない分野”は今回は優先順位が低いですよ、という意味。たとえば「環境への投資」とか言う人がいるけど、多くの環境関連技術ってのは人手がたいしていらないのですよね。一部の技術者の雇用にはつながっても多くの雇用を生んだりしない。
“人海戦術でゴミの選別をするのだ”とか言うならともかく、大規模な風力発電だのソーラー発電だのを推進しても、もしくは電気自動車を普及させても、たいして人手=雇用数が増えないです。なので、これは大事なことだが、今の優先順位は高くないんじゃないか、とちきりんは思ってる。反対に、たとえば介護ってのはまさに人手がかかる分野ですよね。
(3)に関しては、お金は無限にあるわけではないので、出来る限り“一度投入したお金が「次の内需を生む」という良循環を生むところ”にお金を投入すべきですよね。定額給付金が評判悪いのはこの理由でしょ。大半の人は1万〜数万円(家族で)もらっても、「だから今月の支出を数万円分、先月より増やす」というようにはならないよね。そんなとこにお金を突っ込むのは本当に馬鹿げてます。
でも下の子供を預ける保育園が見つからないから働けない、というお母さんのために保育園を作ることにお金をかければ、保育士が雇われるだけではなく、お母さんは働いてお金を得て、そのお金を上の息子の塾の月謝として払い、塾は講師を雇おうとなり、その講師は新しいゲーム買おうかな!と思う、というようにお金がつながっていく。だったらこっちのほうが優先順位高いよね、ということです。
★★★
つまり、考えるプロセスは、
ステップ1:「内需振興分野として、この分野にすべきだ!」という案をできるだけ幅広く、たくさん募り、
ステップ2:上記の3つの基準に照らして優先順位をつけて、
“どの分野に税金を投入して内需を振興するのか”決めていく、というプロセスであるべきなんです。
適当に「医療、介護、農業」とか、
「林業も!」とかいう、どさくさ紛れの補助金争奪合戦にしてしまってはいけないわけ。
というわけで、まずはステップ1をやってみればいいと思う。「どの分野に内需を興すべきだと、みんな思う?」ってのを、国民皆が考えてみればいい。この段階では、その分野が優先順位が高い分野かどうかは考える必要はない。それはステップ2で検討すればいいことだから。
ステップ1では、とにかく広く、多くのアイデアを募ることが大事。
ちきりんはこの前、「東尋坊で失業者の自殺が増えてるなら、失業者をやとって警備させれば?」と書いた。そういうのもアイデアの一つとして考えればいい。
“命の電話”もボランティア不足でつながらないらしいけど、それもボランティアに頼らず行政が人を雇って育成して公的サービスとして運営したらどうよ?日本は世界でも異常に自殺の多い国。それをこの機会に改善するってのもアリじゃない?全国で6000人以上足りないらしいからそれだけの雇用が生みだせるってことだし。
ほかにはどんな内需市場がある?
教育もあるかも。一気に20人学級とかにしちゃえばどう?新規の教育学部卒の教師ではなく、既存の教師と同じ数の「中途採用の社会人教師」を採用してしまう、ってのもひとつの手ではない?
限界集落的な村に介護保険事業とは違う形の公的サービスを充実させていく、てのもあるかも。たとえば一人の労働者が10人くらいのお年寄りを担当して、買い物とか病院への同行とか切れた電球を替えるとか振り込み詐欺の防止とかを担当するとかね。毎日車で巡回してお弁当を届けながらそういう仕事だけをする人を市や村が雇う。
ニーズもありそうだし、雇用も生み出すし、それだけで施設に入らないで一人で暮らせるようになる人が少しでもでてくればその分の税金負担も減らせたりするんじゃないかと思ったりする。
育児の分野も人手が必要なところ、結構あるよね。24時間で子供を預かってくれたり、突発的な用事の時に、また少々の熱があっても預かることのできる体制を整えることは、少子化を解消していくために必要なひとつの方策だろう。
というわけで、ちきりんごときが考えてたって限界ありありなので多くの人が知恵を出し合えばいいかなと。この「どこに内需を興すべきか」という議論は、まさに「平成日本版のニューディール政策の中身を考える」ということです。これ、広く国民みんなで考えていくいい材料だと思うんだよね。なぜなら自分たちの払った税金の使い道を決める議論であると同時に、“日本をこれからどうしていきたいの?”ということにもつながる議論だから。
「さあさあ人手が余っているよ!ちょいとそこのお兄さん、どこで何をやってもらうべきだと思うかね?いらっしゃいいらっしゃい。どんなアイデアも歓迎だよ!」みたいな感じでね。
いや、もうちょっとまともな言い方にすれば、
「みなさんの周りで、
“これは長期的に変えていかないといけない点だと思う!”
ということで、
“人手がかかること”
があれば、是非教えてくださあい!」
みたいな感じ。で、でてきたアイデアをまな板にのせて、基準3つでそれぞれ評価していく。そして「どれから順に、どうやって内需市場(雇用)を作っていくか」を検討して、予算をつけ、最後にハローワークなどを通して大規模な労働者移動と労働者育成を推進していく、みたいなことができればいーんじゃないかと思う。
前にも書いたけど、約1000万人分の正規雇用市場が必要です。*2大きな数字だけど、前向きに考えれば「これだけの人手があれば相当のことができる!」ともいえる。「それだけいれば、あれもできる、これも実現できる!」って感じでしょう?
というわけで、賢明なるちきりんブログの読者の方は、最低ひとり一個は考えてね!!
ではでは〜
・
*1:“あまりに危機感のない人たち”=http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20081202
*2:“1000万人を正社員に!とか”=http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080802
作者:Chikirin
更新日:2009年1月3日 15時0分