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トップ > 12 > 12 - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2009年1月8日 10時)
「永世竜王」誕生 【梅田望夫】
渡辺明竜王(24)に羽生善治名人(38)が挑戦する第21期竜王戦七番勝負は、羽生名人三連勝のあと渡辺竜王三連勝で最終局を迎えた。一局の将棋に両者の「永世竜王」称号がかかり、なおかつ羽生が勝てば「永世七冠」、渡辺が勝てば「史上初の三連敗四連勝」がかかるという、百年に一度あるかどうかの歴史的な対局となった。将棋の町・天童での激戦の末、渡辺竜王が大逆転防衛で初代「永世竜王」に輝いた。
私はウェブ観戦記を書くために本シリーズ第一局が開催されたパリに赴いた。そこで私は、羽生の怖しさを見た。対局者である渡辺自身を含む棋士の誰もが「渡辺必勝」と断ずる局面に羽生はあえて誘導した。羽生だけがその局面を有利と判断し、その大局観の正しさを圧勝によって証明したのだった。終局後のパリのカフェで、
「僕の将棋観が根底から覆されたんだ。僕だって読めていた手、でも初見で捨てた手、僕にとっていちばんあり得ない手が最善手だった。僕の将棋観が否定されたんです」
と語る渡辺の悄然とした姿を見つめながら、羽生が狙いすまして渡辺の急所をざっくり斬ったのだ、私はそう思った。
「シリーズ中盤でこれをやられていたら、もう終わりだったですよ。第一局でよかったと思わなくちゃいけませんね。立て直せる時間があるかもしれない」
パリでの別れ際に渡辺は私にこう言った。
それから二ヶ月。第一局の衝撃の余波もあって三連敗を喫した渡辺だったが、第四局からは強靭な精神力で復活し、新境地の将棋を指した。どん底の状態に置かれたときに自らの回復までの時間を正確に推定し、言葉通りに将棋を立て直し「復活の四連勝」で竜王位を防衛した渡辺は、本当に見事だった。
惜しくも敗れたとはいえ、羽生の今年の活躍はすさまじかった。年初には二冠(王座・王将)だった羽生は、今年の七タイトル戦のすべてに登場し、名人・棋聖を奪取して四冠、「永世名人」の資格も獲得した。「永世竜王」まで竜王位あと一期、という状況に変化はない。前人未到の「永世七冠」への挑戦は来年も続く。来期の竜王戦が今から待ち遠しい。
故・金子金五郎九段が「プロの最高峰の将棋とは何か」について語ったこんな言葉がある。
「勝負という形式をとりながら、人間と人間の交りである。生命をけずって、真底のものをさらけだして交ろうとする人間の願いを、将棋を通して現そうとする行為のことだと思う。」
今年の竜王戦七番勝負は、まさに金子のこの言葉通りに、渡辺明と羽生善治という二人の人間が「真底のものをさらけだして交ろうと」したゆえに生まれた名勝負だった。だからこそ私たちに大きな感動をもたらしたのである。
(2008年12月19日 読売新聞・朝刊文化面から転載)
作者: JSA
更新日:2008年12月24日 11時6分
対局翌朝
(対局翌朝の渡辺竜王)
(宿をたつ前に、滝の湯の中庭でメディア向けの撮影会が行われた)
(滝の湯のみなさんと)
(ロビーの大盤をチェックする渡辺竜王)
19日午前の新幹線で渡辺竜王は関係者とともに東京に向かいました。羽生名人は早い便で東京に戻ったとのことです。
本中継サイトをご覧いただきましてありがとうございました。
お伝えしきれなかったエピソードや詳しい将棋の変化は、主催紙の読売新聞観戦記をご覧下さい。
専門誌の「将棋世界」や「週刊将棋」をはじめ、TBSの「情熱大陸」など、さまざまなメディアでも本シリーズが取り上げられる予定です。
(烏、桜木)
作者: shogi
更新日:2008年12月20日 16時33分
会見その後
共同記者会見のあと、渡辺竜王は衛星第2放送の竜王戦中継に出演しました。その模様は今晩24時45分からのダイジェストで放送されます。その後打ち上げに合流しました。
(衛星第2放送の竜王戦中継に出演する渡辺竜王)
(第7局の棋譜。140手までで渡辺竜王の勝ち)
作者: shogi
更新日:2008年12月19日 0時40分
共同記者会見写真
感想戦が終わった後、場所を移して共同記者会見が行われました。20時30分からじっくり30分ほど渡辺竜王に各社の記者から質問が飛びました。
(渡辺竜王。表情が硬い)
(質問に答える渡辺竜王)
(二十数社、50人ほどが参加) 
(会見の終盤は笑顔も)
30分に及ぶ共同記者会見の一部をご紹介します。
それでは記者会見をはじめさせていただきたいと思います。最初に渡辺さんから何かありますか?---
「え? 特にありません」
初代の永世竜王です---
「名誉なことで、ほんとにうれしいです」
3連敗から4連勝を達成されましたが、シリーズ中は苦しみもあったのでは---
「3局目までは内容が悪くて申し訳ないという気持ちでした。4局目からはいい意味で開き直れた。3局目よりはいい将棋を指そうという気持ちで戦いました。4局目は終盤際どい、ラッキーな勝ち方でしたけれども、その将棋を一局勝ててホッとしました」
開き直ったとは具体的に---
「開き直るとは諦めると紙一重なので難しいのですが、
今回は開き直ると諦めるのギリギリのラインをうまく戦えました。
3連敗したときに自分のなかで将棋を振り返って、指し手や封じ手を含めて消極的な戦い方と感じた。
相手が羽生さんということもあって引き気味に戦ってしまったなと。
4局目からは相手を恐れずに積極的に行こうと、迷ったら積極的にと決めました。
羽生さんの将棋を研究していた?---
「羽生さんとのタイトル戦は久々なので開幕前はどれぐらい戦えるか不安もあった。
永世竜王が懸かったシリーズで注目されていましたが3連敗して。
内容も全然ダメで、届かないと思ったんですが、まだもう1局、4局目があったので何とかいい将棋を見せたいという気持ちでした。
4局目は内容もラッキーだったんですが、いい将棋をひとつ見せられたことで
5局目6局目は伸び伸び指せました」
今シリーズの調子の波や流れは?---
「結果的に4局目が大きくて、そこから連勝することができました。
6局目まで3連勝して自信にもなりました。何とか今日の7局目までこの調子が続いてほしいと祈るような気持ちでした」
羽生名人について---
「こちらがやれると思っていた局面がそうではないことも多かった。局面をある程度前から認識する力、大局観ではまだまだかなわないと感じます。
4局目も7局目も1分将棋で自分でも分からないまま指していたので、その中で勝てたのは運がよかったなと思います。
諦めずに食らいつけたことで、1分将棋で最後にいい方向に手が行ってくれた、という感じです」
今年の有馬記念は気分よくのぞめますね---
「(笑)。今年はのんびり行きたいですね」
シリーズ中ご家族とはどんな話をされましたか?---
「妻は基本的には何も言いません。一局一局言われるのも困りますが(笑)。
影ながら応援してくれているなと。家では自分が将棋に集中できるようにしてもらっています。大変感謝しています。
子供もテレビは見ているので3局目のあと家に帰ったら「お父さん、負けたんだね」と言われました」
(桜木@天童)
作者: shogi
更新日:2008年12月19日 1時34分
感想戦写真
作者: shogi
更新日:2008年12月18日 22時18分
終局写真
作者: shogi
更新日:2008年12月18日 20時18分








